宮崎駿監督の「風立ちぬ」観てきました。

一体、こんなに成熟したアニメがあるでしょうか。

映画全体から、宮崎監督からの沢山の秘められたメッセージを感じ
その表現方法の精妙な美しさに感動しました。

そして、これは日本人だけでなく、とりわけフランスやイタリア、
イギリス、ドイツといったヨーロッパの人達も喜ぶ内容(ストーリーも
映像も)なのがとてもよく理解できました。
だからあれだけ世界中の人達が監督の引退を惜しんでいるのですね。

そもそもタイトルの「風立ちぬ」は、オマージュを捧げている堀辰雄の小説から
インスピレーションを得たもののようで、堀辰雄が作品の中で訳している
フランスの詩人、ポール・ヴァレリーの詩

”Le vent se leve, il faut tenter de vivre””

これに感じ入りました。

直訳すると、「風が(立ち)上がってきた。生きることを試みねばならない」

なのですが、この詩の中の風は、心地よい春風や秋風などではなく、
晴天に突然の冷たい風、その後暗雲とともにやってくる大嵐のように
その後にやってくる不穏な状況を感じさせる風なのでした。

まさに、今の時代の空気を表していて、
1920年代の貧しい日本を舞台に描き出された、現代への鋭いメッセージでした。

けれども作品を通して私たちが改めて見ることが出来る美しい日本。
それは緑の自然だったり、簡素で伝統を感じさせる家屋だったり、美しい日本語だったり
奥ゆかしくも、誠実で静かな情熱を秘めた日本人の暮らしと心だったり。

そして、主人公のゼロ戦開発者、堀越二郎氏の生きざまは
空を飛ぶことを夢見て、ただ良い飛行機を作りたいという夢実現のため、
実直すぎるほどのひたむきな情熱を捧げた人生。

それは、多くの戦後の日本人の真面目でひたむきな生きざまを代表して
いるかのようです。
近眼の彼はまたどこか、一つの目的のため一心不乱に時間を捧げてきた
宮崎駿監督自身の姿ともだぶるようでした。

「こんなに必死でやってきて、ようやく辿り着いた場所は・・」

というような、今のありのままを見つめる視線。

インタビューで宮崎監督が語っていた

「日本がバブルで浮かれていた時、僕は怒っていたんだ」

という言葉も脳裏をかすめました。

けれど、この物語には、そしてこの主人公には、恨みも嘆きも絶望もない。

この淡々と自分の「今」を生きる姿に救われ、そして生きることの本質を感じました。

むしろ、ただ「夢」だけがある。

そう、夢うつつの「夢」であり、夢と希望の「夢」。

人類は永遠に夢という現実を生きている。

その意味が深すぎて、私は何だか倒れそうでもあり

何重にも込められたメッセージの

その表現が美しすぎて、全然泣かなくていいところでいちいち泣いておりました。

宮崎駿監督の、最後の長編アニメ、込められた思いがハンパではないことを
感じ、やはり凄い、という言葉のみです。
これがアニメで、子供でも見られる作品なのが、さらに凄いです。

そして、これは意図されているかどうかは知りませんが、
私は宮崎監督が、すでに国境のない未来の地球を見ているように感じました。

そして、何人であれ、人間が内に持つ絶対的に美しく善なるもの。
永遠に消えることのない希望の光を思い出させる、
彼はそのためにこの世に来た人なんだな~としみじみ思いました。

そう、それを思い出すことは、実は私たち全員のこの世の仕事
なんだよね・・って。

そんな事まで思わせる、偉大な作品でございました。

 

 

アメブロも日々更新中!

 

宮崎駿監督の「風立ちぬ」観てきました。

一体、こんなに成熟したアニメがあるでしょうか。

映画全体から、宮崎監督からの沢山の秘められたメッセージを感じ
その表現方法の精妙な美しさに感動しました。

そして、これは日本人だけでなく、とりわけフランスやイタリア、
イギリス、ドイツといったヨーロッパの人達も喜ぶ内容(ストーリーも
映像も)なのがとてもよく理解できました。
だからあれだけ世界中の人達が監督の引退を惜しんでいるのですね。

そもそもタイトルの「風立ちぬ」は、オマージュを捧げている堀辰雄の小説から
インスピレーションを得たもののようで、堀辰雄が作品の中で訳している
フランスの詩人、ポール・ヴァレリーの詩

”Le vent se leve, il faut tenter de vivre””

これに感じ入りました。

直訳すると、「風が(立ち)上がってきた。生きることを試みねばならない」

なのですが、この詩の中の風は、心地よい春風や秋風などではなく、
晴天に突然の冷たい風、その後暗雲とともにやってくる大嵐のように
その後にやってくる不穏な状況を感じさせる風なのでした。

まさに、今の時代の空気を表していて、
1920年代の貧しい日本を舞台に描き出された、現代への鋭いメッセージでした。

けれども作品を通して私たちが改めて見ることが出来る美しい日本。
それは緑の自然だったり、簡素で伝統を感じさせる家屋だったり、美しい日本語だったり
奥ゆかしくも、誠実で静かな情熱を秘めた日本人の暮らしと心だったり。

そして、主人公のゼロ戦開発者、堀越二郎氏の生きざまは
空を飛ぶことを夢見て、ただ良い飛行機を作りたいという夢実現のため、
実直すぎるほどのひたむきな情熱を捧げた人生。

それは、多くの戦後の日本人の真面目でひたむきな生きざまを代表して
いるかのようです。
近眼の彼はまたどこか、一つの目的のため一心不乱に時間を捧げてきた
宮崎駿監督自身の姿ともだぶるようでした。

「こんなに必死でやってきて、ようやく辿り着いた場所は・・」

というような、今のありのままを見つめる視線。

インタビューで宮崎監督が語っていた

「日本がバブルで浮かれていた時、僕は怒っていたんだ」

という言葉も脳裏をかすめました。

けれど、この物語には、そしてこの主人公には、恨みも嘆きも絶望もない。

この淡々と自分の「今」を生きる姿に救われ、そして生きることの本質を感じました。

むしろ、ただ「夢」だけがある。

そう、夢うつつの「夢」であり、夢と希望の「夢」。

人類は永遠に夢という現実を生きている。

その意味が深すぎて、私は何だか倒れそうでもあり

何重にも込められたメッセージの

その表現が美しすぎて、全然泣かなくていいところでいちいち泣いておりました。

宮崎駿監督の、最後の長編アニメ、込められた思いがハンパではないことを
感じ、やはり凄い、という言葉のみです。
これがアニメで、子供でも見られる作品なのが、さらに凄いです。

そして、これは意図されているかどうかは知りませんが、
私は宮崎監督が、すでに国境のない未来の地球を見ているように感じました。

そして、何人であれ、人間が内に持つ絶対的に美しく善なるもの。
永遠に消えることのない希望の光を思い出させる、
彼はそのためにこの世に来た人なんだな~としみじみ思いました。

そう、それを思い出すことは、実は私たち全員のこの世の仕事
なんだよね・・って。

そんな事まで思わせる、偉大な作品でございました。

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